解体ローンは利用できる?空き家解体ローンや住宅ローンの組み込み方【2026年度版】

解体ローンは利用できる?空き家解体ローンや住宅ローンの組み込み方【2026年度版】

空き家や古い店舗を解体したいのに、見積書を見た瞬間に「この金額を一括で払うのは重い」と手が止まることがあります。放置すれば倒壊、近隣クレーム、固定資産税、相続手続きの負担が膨らむため、解体費用をどう借りるかは単なる資金繰りではなく、事業判断と資産整理の問題です。

この記事では、2026年度に解体ローンを検討する人向けに、空き家解体ローン、リフォームローン、住宅ローンへの組み込み、つなぎ融資、補助金併用までを中立的に整理します。飲食店経営者、解体業者、不動産オーナー、相続した実家を抱える人が、金融機関に相談する前に押さえるべき実務ポイントをまとめました。

解体ローンは利用できるが、目的で使えるローンが変わります

解体費用はローンでまかなえる場合があります。ただし、すべての解体工事が住宅ローンに入るわけではなく、「解体後に何をするか」「誰が所有している建物か」「居住用か事業用か」で選ぶべきローンが変わります。

最初に分けるべきなのは、解体だけで終わるケースと、解体後に新築・建て替えをするケースです。空き家を壊して更地売却や駐車場活用を考えるなら、空き家解体ローンやリフォームローンが候補になります。一方、古家を壊して自宅を建てるなら、金融機関によっては解体費を住宅ローンの諸費用や建築関連費として組み込めることがあります。

飲食店経営者や法人が注意したいのは、個人向けの空き家解体ローンが事業用建物を対象外にしている場合がある点です。たとえば2026年4月確認時点の群馬銀行「空き家解体ローン」では、本人または親族が所有する空き家の解体資金を対象とし、事業用建物の解体資金は対象外と明記されています。店舗撤退、テナント原状回復、倉庫解体、法人所有物件の除却では、住宅系ローンではなく事業性融資や設備資金として相談するのが基本です。

解体後の目的 主な候補 向いているケース 注意点
解体して更地にする 空き家解体ローン、リフォームローン 相続空き家、老朽住宅、売却前の除却 担保権、所有者、補助金控除、年齢条件を確認します
解体後に自宅を新築する 住宅ローン、つなぎ融資、分割融資 建て替え、古家付き土地を購入して注文住宅を建てる場合 解体費の支払い時期が住宅ローン実行より早いことがあります
空き家を改修・一部撤去する リフォームローン 再生利用、賃貸化、部分解体を伴う改修 完全な除却が対象か、修繕費まで対象かを商品ごとに確認します
店舗・事業用建物を壊す 事業性融資、設備資金、運転資金 飲食店の撤退、建て替え、事業用倉庫や工場の除却 個人向け住宅ローンでは対象外になりやすいです

2026年度に解体を急ぐべき背景:空き家増加と法規制の強化

解体ローンの検討が増えている背景には、空き家の増加と管理責任の明確化があります。2024年9月に総務省統計局が公表した「令和5年住宅・土地統計調査」では、2023年10月1日時点の空き家数は約900万戸、空き家率は13.8%で過去最高となりました。賃貸・売却用や別荘などを除く「その他の空き家」も約386万戸に達しており、使い道が決まらないまま残る住宅が全国で増えています。

制度面でも、放置のコストは上がっています。2023年12月に国土交通省が施行した改正空家法では、倒壊などの危険が高い「特定空家」だけでなく、その前段階にあたる「管理不全空家」も市区町村の指導対象になりました。国土交通省の空き家対策特設サイトでは、管理不全空家や特定空家が勧告を受けると、住宅用地特例による固定資産税の軽減を受けられなくなると説明されています。

住宅用地特例は、住宅が建っている土地の固定資産税課税標準を軽くする仕組みです。2024年2月の国土交通省特設サイトでは、小規模住宅用地は200平方メートル以下の部分について固定資産税の課税標準が6分の1、一般住宅用地は3分の1に減額されるとされています。つまり、管理状態が悪く勧告を受けると、建物を残して節税しているつもりが、税負担の軽減を失う可能性があります。

相続手続きも先送りしにくくなりました。法務省は2024年4月1日から相続登記の申請を義務化し、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内の申請を求めています。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象となり、施行前の相続でも未登記なら原則として2027年3月31日までの対応が必要です。解体ローンを申し込む前に、名義が亡くなった親のままになっていないかを確認することが欠かせません。

解体費用はいくら必要か:ローン審査前に見積もるべき内訳

ローンの前に、解体費の総額を見誤らないことが大切です。国土交通省の住宅関連資料では、空き家の解体には仮設工事費、解体工事費、廃棄物処理費、付帯工事費、重機回送費などが発生し、木造住宅の解体工事費は1坪あたり3.5万円、50坪で175万円程度が相場と整理されています。これは古い基礎データを含む目安のため、2026年度の資金計画では現地条件と処分費上昇を見込んで余裕を持たせるべきです。

2026年の実務では、木造住宅でも30坪で100万円台後半、付帯物や残置物が多い場合は200万円を超えることがあります。鉄骨造やRC造は重機、工期、廃材処分量が増えるため、木造より高くなりやすいです。飲食店跡地では、厨房ダクト、グリストラップ、看板基礎、内装材、設備撤去が追加されるため、住宅の坪単価だけで判断すると資金不足になりがちです。

見積書で分けて確認したい項目

金融機関に提出する見積書は、単に「解体一式」と書かれているものより、内訳が分かるもののほうが説明しやすくなります。解体業者側も、施主がローンを使う可能性を踏まえて、審査に使いやすい見積書を出せると受注の確度が上がります。

特にアスベストは、費用と工程に直結します。環境省は2022年4月から一定規模以上の解体・改修工事について石綿事前調査結果の報告を義務化し、建築物の解体では床面積80平方メートル以上が報告対象です。また、環境省は2023年10月1日から建築物の解体・改修工事で有資格者による事前調査を義務付けると説明しています。古い飲食店や店舗併用住宅では、天井材、吹付材、配管保温材などに注意が必要です。

空き家解体ローンとは:解体だけでも借りられる代表的な方法

空き家解体ローンは、空き家を壊すための費用に使える個人向けローンです。多くは無担保型で、住宅ローンより借入期間は短めですが、カードローンより資金使途が明確で、解体工事に合わせて使いやすい設計になっています。

2026年4月確認時点の例では、四国銀行「空き家解体応援ローン」は融資額を5万円以上1,500万円以内、融資期間を6カ月以上10年以内とし、自治体から補助金を受ける場合は解体費用から補助金を控除した金額を対象にすると説明しています。群馬銀行「空き家解体ローン」は、本人または親族が所有する空き家の解体資金を対象とし、融資額10万円以上300万円以内、融資期間6カ月以上7年以内としています。

このように、同じ「空き家解体ローン」でも上限額、返済期間、対象建物、営業エリア、補助金の扱いが大きく違います。相続空き家を壊して売却する人には合いますが、法人所有の店舗、賃貸マンション、営業中の飲食店の内装解体には使えないことがあります。審査では年収、勤続年数、既存借入、所有者との関係、抵当権の有無、見積書の妥当性を見られます。

空き家解体ローンが向くケース

空き家解体ローンは、建て替えよりも「まず危険な建物をなくす」ことが目的のときに向いています。たとえば、相続した実家を売る前に更地にしたい、近隣から屋根材の飛散を指摘された、管理不全空家の指導を受ける前に動きたい、といったケースです。

一方で、長期返済にすると利息負担が増えます。売却代金で早期返済する予定があるなら、繰上返済手数料や補助金受領後の返済方法も事前に確認しましょう。自治体補助金は、交付決定前に着工すると対象外になることが多いため、ローン審査、補助金申請、解体契約、着工の順番を崩さないことが重要です。

住宅ローンに解体費を組み込む方法:建て替えなら可能性があります

古家を壊して自宅を建てる場合、解体費を住宅ローンに含められる金融機関があります。2025年10月公開のPayPay銀行住宅ローンFAQでは、注文住宅の設計費や解体費について、契約書・請負契約書・注文請書など確認資料を本審査で提出すれば借り入れでき、解体費用は諸費用に追加して申し込むと説明しています。

ただし、住宅ローンに入れられるからといって、支払いのタイミングまで自動的に解決するわけではありません。注文住宅では、住宅ローンの本実行が建物完成時になる金融機関もあります。解体工事は建築前に支払いが発生するため、自己資金、つなぎ融資、分割融資、土地先行融資などで一時的な資金を用意する必要があります。

建て替え時の資金の流れ

建て替えでは、解体費だけを見ていると資金繰りが詰まります。仮住まい、引っ越し、地盤調査、地盤改良、外構、登記費用、火災保険、設計料まで含めて、金融機関に総額を説明できる形にしましょう。

  1. 既存住宅の名義、抵当権、相続登記の状況を確認します。
  2. 解体業者から内訳付き見積書を取り、建築会社の見積書と合わせます。
  3. 金融機関に、解体費を住宅ローンに含められるかを事前確認します。
  4. 住宅ローンの本審査で、解体費・設計費・建築費の資料を提出します。
  5. 本実行前に支払いが必要なら、つなぎ融資や分割融資を使います。
  6. 解体後は建物滅失登記、新築後は保存登記・抵当権設定へ進みます。

住宅ローンへ組み込む最大の利点は、返済期間を長くでき、月々の返済を抑えやすいことです。一方で、借入総額が増えれば総利息も増え、住宅ローン控除の扱いも要件確認が必要です。解体だけで終わる費用を無理に住宅ローンへ入れるのではなく、新築計画と一体で審査できるかを確認するのが現実的です。

補助金とローンを併用するコツ:先に自治体、次に金融機関です

解体費を抑えるには、ローンだけでなく補助金の確認が欠かせません。国土交通省は2026年4月20日に令和8年度「空き家対策モデル事業」の募集開始を発表し、民間事業者、NPO、地方公共団体などによる空き家の改修・除却工事等を支援対象にしています。個人が直接この事業に申し込めるとは限りませんが、国の支援を受けた自治体事業や地域の除却補助につながることがあります。

個人の空き家解体では、市区町村の「老朽危険空き家除却補助」「不良住宅除却補助」「ブロック塀撤去補助」などを確認します。補助率や上限額は自治体ごとに違い、予算枠が早く埋まる地域もあります。飲食店経営者の場合は、店舗撤退費用が空き家補助の対象外でも、商店街活性化、事業承継、中心市街地整備の補助制度に近いものがないかを確認する価値があります。

補助金を使う場合、順番が特に大切です。多くの補助金は、交付決定前に契約・着工した工事を対象外にします。先に解体業者へ正式発注してしまうと、あとから補助金やローンの条件を満たせず、自己資金で払うことになりかねません。

補助金併用時の実務チェック

審査で落ちやすいポイントと、通しやすくする準備

解体ローンの審査は、収入だけでなく「工事の必要性」と「資金使途の明確さ」も見られます。金融機関は、借りたお金が本当に解体に使われるか、所有者に問題がないか、解体後の土地に担保や権利関係のトラブルが残らないかを確認します。

落ちやすいのは、名義が未整理、相続人が複数で同意がない、既存の住宅ローンや抵当権が残っている、見積書が粗い、事業用なのに個人向けローンで申し込む、といったケースです。解体業者の許可・登録や、産業廃棄物処理の流れが不透明な場合も、後のトラブルにつながります。

申し込み前にそろえたい書類

解体業者側は、施主がローン審査中であることを把握したうえで、着工日を急がせすぎない配慮が必要です。2026年度はアスベスト事前調査や廃棄物処分の説明責任が重くなっているため、金融機関に出しても違和感のない明細と工程管理が、受注後の回収リスクを下げます。

失敗しない選び方:金利より先に「対象」と「支払い時期」を確認します

ローン比較では金利に目が行きますが、解体費ではそれだけでは不十分です。最初に確認すべきは、その建物が対象になるか、必要な時期に資金が出るか、補助金と併用できるかです。金利が低くても、解体費の支払いに間に合わなければ実務では使いにくくなります。

確認項目 見るべきポイント 判断の目安
対象建物 居住用、空き家、親族所有、事業用の扱い 店舗・法人所有は事業性融資を含めて検討します
借入上限 300万円型か1,500万円型か 木造戸建てなら足りても、店舗・RC造では不足しやすいです
返済期間 7年、10年、20年など 短いほど総利息は抑えやすく、月返済は重くなります
実行時期 契約時、着工前、完了後、住宅完成時 支払い日と入金日のズレを必ず埋めます
補助金 控除扱いか、後日繰上返済か 補助金の交付決定前に着工しないようにします
追加費用 アスベスト、残置物、地中埋設物 予備費を1〜2割程度見ておくと安全です

最も堅実な進め方は、解体業者の現地見積もりを複数取り、自治体補助金を確認し、そのうえで金融機関に「解体のみ」「建て替え込み」「事業用」のどれに当たるかを相談する流れです。空き家問題は時間が経つほど相続人が増え、建物が傷み、近隣対応も難しくなります。ローンを使うかどうかにかかわらず、まず名義・費用・制度の三つを同時に整理することが、2026年度の解体判断では重要です。

よくある質問

初心者のための用語集

参考サイト

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本記事の内容(法令・手続き・費用相場・補助金制度・提出先等)は、執筆時点の一般的な情報に基づく参考解説であり、正確性・完全性・最新性を保証するものではありません。

制度や運用、補助要件、提出期限・様式、費用相場は自治体・地域・個別案件(構造・規模・周辺環境・石綿含有の有無等)により大きく異なり、予告なく変更される場合があります。

実際の申請・契約・工事・廃棄物処理・マニフェスト等の実務は、所管行政機関・関係法令・最新のガイドラインに従い、必ずご自身(または担当者様)の責任で原資料を確認のうえ判断してください。

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